官民連携まちづくり推進協議会

お知らせ・活動報告

第19回(2023年度第2回)会議を開催しました

2023年11月27日(月)

令和5年11月27日(月)、東京都にて、第19回「官民連携まちづくり推進協議会」を開催しました。コロナ禍もあり、オンラインやハイブリッドでの開催など、試行錯誤しながら継続してきた当会ですが、久々の対面のみでの開催となり、11自治体と4団体から22名が会場に集いました。

冒頭で、世話人代表の山口哲央氏(山梨県都留市)は、「本協議会は、地方であることのピンチをチャンスに、ハンディキャップをアドバンテージにしようと活動してきました。都留市には、芭蕉の句碑がいくつもあります。その中でも『不易流行』、まず基礎を知らなければならない、基礎を知っていても新しいものを取り入れないと立ち行かないというものがあり、まさに行政マンが一番心に留めなくてはいけない言葉と感じています。ゆるく強くつながった縁を活用して、今後もまちづくりに取り組んでいきましょう」と、挨拶を述べました。続く参加者の自己紹介では、笑いも飛び出し、和やかな雰囲気での開会となりました。

前半では、山梨県都留市、千葉県旭市より、話題提起がありました。

都留市総務部企画課長の中野一成氏は、当会における複数の自治体による共同事業として「生涯活躍ポータル カラフル」を紹介。カラフルは、移住定住の促進を目指した情報発信や相談、イベント企画・運営を担うプラットフォームで、令和元年より、地方創生推進交付金を活用し、都留市他5つの自治体が共同で運営してきました。

「複数のまちが共同で開催するイベントは、大いに盛り上がり、参加者のバックグラウンド等を収集することで、参加者とまちの活動とのマッチングにも有効でした。今後は費用がかからない手法で、新しい動きを作っていきたいです」と中野氏。同市山口氏も「小さなまちだと、単独ではイベントに人が集まりにくいですが、他のまちと共同開催することで、敷居の低さとお得感があり、多くの参加者を得ることができました。こうしたノウハウやつながりを活かし、引き続き、できることをできる人たちと、楽しくやっていきたいと思います」とコメントを寄せました。

また、カラフルに参画する鳥取県南部町企画政策課長の田村誠氏は「連携の強化、情報交換、話す力の向上など、職員が力をつけるフィールドにもなる取り組みでした」と振り返り、つながりの力を活かし、時代やニーズにあった新たな連携を進めていきたい意向が共有されました。

千葉県旭市企画政策課の川瀬和彦氏は、令和6年1月に予定される同市視察の受入れに先立ち、市の施策と関連施設について紹介しました。

旭市は、全国でもトップクラスの公立病院を有します。この条件を活かして、生涯活躍のまちづくりを目指し、多世代交流施設「おひさまテラス」をはじめとする施設や住宅の開設と整備に力を入れています。

川瀬氏は「民間事業者の力を最大限発揮した、魅力的なまちづくりを目指しています。公募で選定した4つの民間企業と、30年の連携を前提に取り組みを開始し、商業施設や高齢者施設、移住者向けの住宅の整備を進めています。先行オープンしたおひさまテラスは、交流の核となる施設で、多様な機能を備えています。偏りのない、さまざまな世代がまじり合う、そうした日常をつくっていくことを大事にしたいと思っています」と紹介。民間事業者が出資して、一般社団法人を立ち上げ、市や地元関係団体が活動を支える体制が整いつつあることを説明しました。

視察は、令和6年1月30日(火)の開催を予定しており、参加自治体を募っています。

後半では、総務省自治行政局地域振興室長の大田圭氏にご登壇頂き、地域活性化に向けた総務省の取り組みについてをテーマに、力を注ぐ事業の概要について、お話し頂きました。

大田室長は、都道府県財政課長等の立場で、地方行政の場へ出向され、直前は長崎県の総務部長を務められるなど、豊富な現場経験を有し、現在は同省地域力創造グループの地域振興室を牽引されています。「地域力創造グループは、地域おこし協力隊や移住、就学支援など、事業的な施策を有するグループで、非常に前向きな取り組みを進めています」と切り出した上で、ローカルスタートアップの支援をはじめ、地域おこし協力隊や地域活性化起業人、地域運営組織の形成、運営支援等、主に8つの事業概要と事例、課題点などを共有しました。

続く意見交換では、特別交付税制度の活用や、特定地域づくり事業協同組合、地域運営組織の形成に関する内容を中心に、参加自治体がそれぞれの取り組みと、うまく進んでいる点や困りごとを共有。笑いが起こる場面もあるなど、ざっくばらんな意見が交わされました。

多くの地域に共通の課題として挙げられた、担い手不足や地域づくりの継続性の観点で、大田室長からも様々な知見や意見が共有されました。

「地域づくりにおいては、どこを目指すのかの設定を行う、最後にどういう状況を保っていけることを目指すのかという設定を、まずは共有することが大切です。その際、10年後20年後を見据えたデータも伴う課題設定ができれば、少しずつでも進んでいくのではないでしょうか。また、有識者らと現在行っている研究事業では、地域運営組織等には、取り組みが落ち着いた頃に、目的やあるべき姿の見直しが大切であるという話が出ています。その時々に合った『柔軟な最適化』をするプロセスが必要という研究を進めており、手間がかかるプロセスを踏むことで、運営がうまく回るという事例も集まっています」と大田室長。

話題の尽きない中、山口世話人代表は「在り方を変化させていくことの大切さと大変さ等、皆同じ課題を持っています。引き続き、声を掛け合い、情報や意見を共有しながら、仲間としてやっていけたらと思います」と呼びかけ、会は締めくくられました。

お知らせ・活動報告一覧へ戻る