官民連携まちづくり推進協議会

お知らせ・活動報告

第25回(2025年度第2回)会議を開催しました

2026年3月11日

令和8年3月11日(水)、東京都にて、「官民連携まちづくり推進協議会」の第25回会議を開催しました。年度末という多忙な時節の開催となりましたが、北は北海道から、南は岡山県まで7つの地方自治体・組織を代表して、13名の皆さまにお集まり頂きました。

世話人代表の山口哲央(山梨県都留市総務部長)は冒頭で、「東日本大震災の発生した日である本日は、防災担当をした経験からも、思い入れの深い日です。当時のことを、走馬灯のように思い起こします」と切り出し、第25回という節目の開催となる本会議に対し、次のように挨拶を述べました。

会議の様子

「成功例は表に出てきますが、失敗例や課題はなかなか世に出てきません。どんな情報も出せる会をつくりたいとの思いで、本会はスタートしました。上司の理解を得て、遠方から参加するメンバーがいることも嬉しい限りです。ないものねだりよりも、あるものを探す、これが今回のテーマです。本日は、少人数での開催となりますが、その分充実した意見交換ができることを期待しています」

つづく、参加者同士の自己紹介では、まちづくりの業務を行う上での悩みや課題感も交えた発表が行われました。若い世代のコミュニティへの巻き込みや、町内会に頼らないコミュニティづくりを進める上での課題点などが共有され、参加者の間で共感を呼びました。

会議の様子

ランドブレイン株式会社(東京都千代田区)代表取締役社長 吉戸勝氏のご登壇による、「まちづくりの担い手は本当にいないのか?~いる人で進める地域自治と生活サービスの確保~」と題した講演では、人口規模に即したまちづくり事業の在り方や、内在するまちづくり人材の発掘から育成のしかけに至るまで、経験に基づいた知見が共有されました。

ランドブレイン株式会社は、3つのオール(ジャンル・セクター・プロセス)を掲げ、多様な分野にわたるまちづくりを総合的にコーディネートし、実現する会社です。国の政策立案からまちの伴走支援、ワークショップの開催に至るまで、トップからボトムへのつながりを大切にし、吉戸氏自らもフィールドに入って活動しています。

会議の様子

吉戸氏はまず、まちづくりにおける共通の課題である「担い手やコーディネート人材の不足」について取り上げ、行政対応の落とし穴である「いない・決めない」の問題点を指摘。人口規模に応じて、つくる施設や探す人材を柔軟に変えていくという視点の転換を提起しました。

「人材がいないというとき、どういう人、どんな人材がいないということなのか、そもそもそれがイメージできているかどうかが課題です。どういう活躍を期待するのかに着目して、人を育てる必要があるのではないでしょうか。こうやればよいというやり方を教えるのではなく、個々の人材のマインドや特性を活かすことが大切です」

吉戸氏は、福岡県の男女共同参画センター「あすばる」による「元気塾」の事例を取り上げ、その発展の経緯を振り返るとともに、「人を固定して進めていくだけでなく、メンバーが変わっても続いていくしくみづくりが重要です。各人のやりたいこと、やれることに合わせて盛り上げていく、育成のしかけを行っていかなくてはなりません」と述べました。

また、町全体を「ひまわりホールディングス」という会社に見立て、社員にあたる町民が、それぞれにやりたいことを実現させるというビジョンを描く、北海道北竜町の事例にも触れました。北竜町は、まちが一丸となって町民一人ひとりが輝き、自立しながら、まわりにそれを波及させていく循環づくりを目指しています。

「北竜町で、私たちは、町民同士も知る機会のない町民の想いを取材し、アウトリーチと発信を通して、相互理解とまちの誇りの醸成を目指した取り組みを行っています。また、フックとなるしかけを用意して、やる気のある人を誘い込み、発掘していくことも積極的に行っています。例えば、コーヒーの淹れ方講座などをフックとして人を呼び込み、トークタイムなどを設けることで、人材発掘やコミュニティづくりの端緒を創出しています」

吉戸氏は、講演の最後をこのように結びました。「学びの方式が、ワークショップなど形式的になり過ぎているということはないでしょうか。まずは、本当の声や本音が聞き出せる場をつくる必要があります。人を誘い出すしかけがあれば、自発的な参加を促すことができます。その中で、芽生えを待つ。住民との協働、住民がやりたいことを一緒にやるという姿勢で取り組むことが大切だと思います」

質疑応答では、住民の想いと本音を聞き出すためのしかけについての他、協議会などの住民参加の場で、メンバーの固定化をどう解消するか、といった質問が寄せられました。吉戸氏をはじめ、各参加者からも経験に基づいた解決策やアイデアが持ち寄られるなど、活発な意見交換が行われました。

人を集め、まちづくり人材を発掘、育成していく上で、住民が主体的に考え、自らが関わっていると実感できるフックをつくることが、キーワードとなることをあらためて確認し、第25回会議は閉会の運びとなりました。

集合写真

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